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カスタマーレビュー
おすすめ度:
物理本の中で確実にお薦めできる一冊
(2008-05-05)
物理本には、相対性理論、量子力学など、いろいろありますが、その中でもこの一冊は、とても読みやすく、お薦めできます。
読みやすい物理本として一番有名なのは、「ホーキング宇宙を語る」だと思いますが、それに挫折した人でも、この本なら読めると思います。
印象的なのはやはり、「まず牛を球として考えます」という一文です。物理学者のおおざっぱな性格が出ていておもしろいです(実際私の知っている物理をたしなんでいる人は、得てしておおざっぱです)。
個人的な涙、個人的な憂鬱
(2005-02-14)
実は私、物理学科の学生でした。
この本が書店に並んだのは、物理学の世界で一人の学者として生活することをあきらめる決断をした時期でした。
進路にまだ悩みながら少々現実逃避気味に書店に足を運んだ私。
目に入るこの本。
未練がましくも、手にとってしまう。
私はほとんどオートマティックに、レジへ。
物理をやってる人が面白い本なのでは
(2004-07-25)
タイトルや扉絵にあり、第一章でさっそく出てくる「マル」への近似の話や、古典力学の発想・発展の話のはじめの数章までは、いわゆる一般向け啓蒙書の風で、「そうそう」てな感じで読んでいられました。けれど、著者が最も力を入れている宇宙論への展開・場の量子論・対称性にまで進むと、とてもそうではありません。物性と電子工学を修めて、エンジニアの仕事をしている私にとって、とりあえず使う必要のない理論物理学の話はこれまであまり関心を持っていませんでした。けれどもこの本の後半を読んで、その端緒というか考え方の一部に触れ、「なるほど」と理解できました。この感覚が残っているうちに、教科書でもいいのだけれど、関連した参考書を読んでみたいのですが、これらの紹介がない。数式がいーっぱい入っててもいいので、考え方を直接示してくれるような、ファインマンのような、解説本を紹介してもらいたかった。
解説はそれなりに面白かったけれど、この本の解説としてはちょっとずれているように思いました。
物理は本質的に有効理論であって、根本理論(唯一無二の絶対理論)ではない、とは?
(2004-07-03)
「牛を球と仮定します」というJokeをJokeのままで終わらせないのが、この著者の非凡なところ。本質を掴むために大事でないところは斬り捨てようとする態度が、物理屋さんに必要とされるところで、この仮定により本質がクリアされるところ(なぜ牛のサイズが限りなく大きくできないか?)を読むと、この本を読むのを止められなくなります。(多少の物理のバックグランドがあった方が読みやすいことは確かですが)
今、世の中ではミクロ-メゾ-マクロの現象を説明する各理論(物理/化学~高分子~計算材料学といった領域をまたぐ、interdisciplinaryな学問領域)を如何にうまく繋げるかという話が、昨今のナノサイエンスの流行で浮上してきています。(いわゆるMulti-scale Method) そのような潮流の中でも、この本の著者の主張は忘れるべきではないでしょう:物理理論は本質的に「有効理論」なのであって、「問題とするスケールで何を予測するかを知るためには計算を行なわなければならないが、その計算のためには、小さいスケールで起こるかもしれない現象の影響を無視する必要がある」ということを。確かに野茂のフォーク・ボールが曲がる現象において、原子・分子の量子理論は必要なく、せいぜいボールの密度を決定するパラメータに押し込めることができる、というセンスはいつの時代でも重要です。こういう「スケール感覚」に基づく近似のセンスは、昔の人の方が大胆だったかもしれません。(今は計算機+ソフトがあるので、計算すりゃ何か出るだろうと、何でもかんでも計算してしまおうとしてしまいがち。)
モノを見るスケール(距離・時間)を小さくする程、真空は真空でなくなる話をはじめとして、素粒子物理~凝集系物理~宇宙物理まで数式を殆ど使うことなく平易に説明するところは圧巻です。
物理を学んで物理を理解しなかったあなたへ
(2004-06-05)
ほとんどの人にとって物理は高校の1年間だけのお付き合いでしょう。
その後ずっと物理を学ぶのであれば、高校での物理の授業も我慢できるでしょうが、どうせ1年間しかやらないのに物理の公式ばかり詰め込まれて、物理は公式を当てはめて解く科目だと思ってしまう。しまいには物理法則を数学の定理のようなものと思ってしまう。
おすすめ度:
物理本の中で確実にお薦めできる一冊
物理本には、相対性理論、量子力学など、いろいろありますが、その中でもこの一冊は、とても読みやすく、お薦めできます。
読みやすい物理本として一番有名なのは、「ホーキング宇宙を語る」だと思いますが、それに挫折した人でも、この本なら読めると思います。
印象的なのはやはり、「まず牛を球として考えます」という一文です。物理学者のおおざっぱな性格が出ていておもしろいです(実際私の知っている物理をたしなんでいる人は、得てしておおざっぱです)。
個人的な涙、個人的な憂鬱
実は私、物理学科の学生でした。
この本が書店に並んだのは、物理学の世界で一人の学者として生活することをあきらめる決断をした時期でした。
進路にまだ悩みながら少々現実逃避気味に書店に足を運んだ私。
目に入るこの本。
未練がましくも、手にとってしまう。
私はほとんどオートマティックに、レジへ。
読んでみれば、やはり面白いのです。
物理学の世界は。
人間の思考能力のすべてを使って、謎を解く。
単純だけど強い。単純ゆえに強い。
そのことがきちんと、いきいきと、この本には描かれていました。
物理学の世界の面白さを知りながら、去る、自分。
本が面白いから泣いたのはこれが初めてでした。
物理をやってる人が面白い本なのでは
タイトルや扉絵にあり、第一章でさっそく出てくる「マル」への近似の話や、古典力学の発想・発展の話のはじめの数章までは、いわゆる一般向け啓蒙書の風で、「そうそう」てな感じで読んでいられました。けれど、著者が最も力を入れている宇宙論への展開・場の量子論・対称性にまで進むと、とてもそうではありません。物性と電子工学を修めて、エンジニアの仕事をしている私にとって、とりあえず使う必要のない理論物理学の話はこれまであまり関心を持っていませんでした。けれどもこの本の後半を読んで、その端緒というか考え方の一部に触れ、「なるほど」と理解できました。この感覚が残っているうちに、教科書でもいいのだけれど、関連した参考書を読んでみたいのですが、これらの紹介がない。数式がいーっぱい入っててもいいので、考え方を直接示してくれるような、ファインマンのような、解説本を紹介してもらいたかった。
解説はそれなりに面白かったけれど、この本の解説としてはちょっとずれているように思いました。
物理は本質的に有効理論であって、根本理論(唯一無二の絶対理論)ではない、とは?
「牛を球と仮定します」というJokeをJokeのままで終わらせないのが、この著者の非凡なところ。本質を掴むために大事でないところは斬り捨てようとする態度が、物理屋さんに必要とされるところで、この仮定により本質がクリアされるところ(なぜ牛のサイズが限りなく大きくできないか?)を読むと、この本を読むのを止められなくなります。(多少の物理のバックグランドがあった方が読みやすいことは確かですが)
今、世の中ではミクロ-メゾ-マクロの現象を説明する各理論(物理/化学~高分子~計算材料学といった領域をまたぐ、interdisciplinaryな学問領域)を如何にうまく繋げるかという話が、昨今のナノサイエンスの流行で浮上してきています。(いわゆるMulti-scale Method) そのような潮流の中でも、この本の著者の主張は忘れるべきではないでしょう:物理理論は本質的に「有効理論」なのであって、「問題とするスケールで何を予測するかを知るためには計算を行なわなければならないが、その計算のためには、小さいスケールで起こるかもしれない現象の影響を無視する必要がある」ということを。確かに野茂のフォーク・ボールが曲がる現象において、原子・分子の量子理論は必要なく、せいぜいボールの密度を決定するパラメータに押し込めることができる、というセンスはいつの時代でも重要です。こういう「スケール感覚」に基づく近似のセンスは、昔の人の方が大胆だったかもしれません。(今は計算機+ソフトがあるので、計算すりゃ何か出るだろうと、何でもかんでも計算してしまおうとしてしまいがち。)
モノを見るスケール(距離・時間)を小さくする程、真空は真空でなくなる話をはじめとして、素粒子物理~凝集系物理~宇宙物理まで数式を殆ど使うことなく平易に説明するところは圧巻です。
物理を学んで物理を理解しなかったあなたへ
ほとんどの人にとって物理は高校の1年間だけのお付き合いでしょう。
その後ずっと物理を学ぶのであれば、高校での物理の授業も我慢できるでしょうが、どうせ1年間しかやらないのに物理の公式ばかり詰め込まれて、物理は公式を当てはめて解く科目だと思ってしまう。しまいには物理法則を数学の定理のようなものと思ってしまう。
物理をそんな風に思ってしまったあなた、これから高校の物理を学ぼうとしているあなた、大学でも物理をやっているあなた、今までの物理論ではすっきりしなったあなた、この本を読みましょう。物理を心のそこからヤル(学ぶでもない、研究するでもない)ということはどういうことなのか本書を読んですっきりさせましょう。
